脆弱性診断とは

2020.03.10

セキュリティ対策

脆弱性診断とは Web-application-vulnerability-countermeasure

目次

脆弱性診断はWebアプリケーションやシステムの安全性を確保するために

脆弱性診断という言葉をしっていますか?今や業務のIT化というのは、どこの企業でも率先して行っていることです。それにより、業務が効率化されますし、コストの面でもメリットがあります。また、ブランドや商品の宣伝のために、自社Webサイトを設けるというのも普通のこととなっています。しかし、こうしたシステムの設置や維持については真剣に考慮しなくてはならないことがあります。それが、システムのセキュリティです。悪意を持った人間が企業のITシステムに侵入したり、サイトを改ざんしたりという事件が起こる可能性があるのです。その危険を未然に対策するために必要になってくるものが、「脆弱性診断」です。どうしてこの作業が必要となるのか、どのように自社システムを安全に守れるかを考えるようにしましょう。

そもそも脆弱性診断とはなに?

企業業務のITシステムやWebアプリケーションに、脆弱性がないかどうかをチェックした上で、もし見つかった場合適切に処置して不正アクセスなどを防ぐことを脆弱性診断と呼びます。脆弱性とは、システム上の弱いところ、ハッキング被害の侵入口となりえる部分のことです。脆弱性はいくつかの理由によって発生します。
まず、システムの設計や構築段階でのミスが原因となることがあります。本来管理者や登録したユーザーしか入れないはずなのに、何らかのバグによって誰でも入れてしまう、もしくはちょっとした操作で侵入口ができてしまうことがあります。

さらに、OSやハードウェア自体のバグということもありえます。企業で構築したシステム自体は大丈夫なのですが、根幹となる部分に脆弱性が見つかることもあります。この場合は、OSやハードウェアの提供元による処置が必要となります。他にも、システム管理やユーザー管理の不備というのも原因となります。最も多いのは、システムを使っている人がパスワードを流出させてしまうというケースです。システム自体が万全でも管理体制がきちんとなっていないと、ヒューマンエラーからの問題が生じることになります。

また、悪意のある人間が脆弱性を埋め込むということもあります。システムを構築する際にあらかじめ埋め込むこともありますし、後にウイルスを送信してシステムに穴を作ることもあります。常にこうした攻撃は起こっていますので、システム自体が安全だとしても、攻撃に対抗できる対策を取っておくことも大事なのです。

脆弱性を突かれたらどうなるのか?

企業が脆弱性を察知し確実に対処すべきなのは、もしハッカーに脆弱性を突かれてしまうと大きな被害が及ぶからです。そこで意識を高めるためにも、どんな被害が想定されるかを事前に知っておくのは大事です。

企業情報や個人情報の漏えい

まず、業務上のシステムの脆弱性を突かれハッカーに侵入されてしまうと、企業情報や個人情報の漏えいが起こります。機密にしておくべき製品開発情報やインフラ情報などを抜き取られてしまうことが考えられます。
また、保護しなければならない顧客の個人情報が取られてしまうこともあり、大きな問題へと発展します。

Webサイトの改ざん

Webアプリケーションの脆弱性を攻撃されると、Webサイトの改ざん被害に遭うことがあります。企業ブランドのイメージを大きく下げることになってしまうページの改ざんは、なんとしてでも避けなければなりません。また、Webサイトを通じて商品の販売やアンケートなどを行っているケースでは、そこからユーザーの個人情報が盗まれてしまうこともあります。さらに、決済情報などを操作されてしまい、詐欺被害に発展するリスクもあります。Webサイトは外部に公開されている媒体ですので、よりハッカーからの攻撃を受けやすいものです。そのため、一層の注意と対策が必要だと言えるでしょう。

システムダウン

ウェブサイトにしても業務システムにしても、第三者に侵入されてしまうと、システム自体がダウンするという危険をはらんでいます。そうなると業務ができなくなってしまいますし、顧客へのサービスもストップしてしまいます。そのダウンした時間分の被害も大きいですが、企業そのものに対する信頼性やイメージが悪くなってしまうという悪影響もあります。

脆弱性診断の二つのタイプ

このように、企業が持つIT関連のシステムに問題がないかをチェックするのが脆弱性診断ですが、主に二つのタイプがあります。

業務システムなどへの脆弱性診断

その一つが、業務に関連するシステムの診断です。在庫管理や販売システム、会計や情報共有プログラムなどが含まれます。毎日のように社員が使っているもので、顧客と直接つながる形で運用されているものもあります。企業の業務の根幹を成すものですので、ここに問題があると業務に大きな影響が出てしまいます。

Webアプリケーションへの脆弱性診断

もう一つのタイプはWebサイトやアプリのチェックです。特にECサイトのようにサイト上で販売をしていたり、何らかのサービスを顧客向けに提供している場合には、その重要性が高くなります。そうでなくても、企業や商品の宣伝に使っている大事な媒体ですので、安全に運営できるようにすべきです。こうしたサイトやアプリは誰でもアクセスできる分、攻撃にさらされやすいものとなります。また、不正アクセスなどの被害に遭うと、より多くの人に知られてしまうというリスクもあります。

脆弱性診断の手法

業務システムにしてWebアプリケーション関連にしても、脆弱性診断をする際にはいくつかの手法があります。システムの規模や構成、予算などに応じて適切な手法を選ぶ必要があります。

診断ツールを利用した脆弱性診断

より気軽に行える方法としては、診断ツールもしくは専用ソフトを使ったチェックがあります。これは、一般的によく見られる脆弱性のパターンやウイルスのチェックを自動的に行えるようにしたものです。また、システムの構成やコードにミスがないかどうかをチェックできる機能も持っています。システムに診断ツールをつないでチェックするだけですので、よりスピーディーにできますし、人件費もあまりかからないというメリットがあります。さしあたっての脅威は感じないものの、定期的に安全かどうかのチェックをしたい場合や、予算があまりないという時などに使える手法となります。

スペシャリストによるマニュアル脆弱性診断

もう一つの手法はマニュアルでの診断です。セキュリティ関連のエキスパートが、診断項目を設けて自分の目で脆弱性がないかどうかを確認していきます。ハッカーの目線でどのような部分を突いて攻撃できるかを探していくなど、より高度な脆弱性診断となります。その分、時間もかかりますしコストも高くなります。しかし、よりレベルの高い防御措置を講じることができますし、診断ツールでは検出できないリスクを見つけることも可能です。企業によっては、こうしたセキュリティの専門部署を設け、常時システムやサイト、アプリの監視と、万が一ハッカーによる侵入が起きた場合に即時対応ができるようにしています。

脆弱性診断とペネトレーションテストの違い

脆弱性診断のようなセキュリティ診断というとペネトレーションテストがあります。脆弱性診断とペネトレーションテストはどちらも脆弱性を探すサービスという意味では同じですが、目的と手法が異なってきます。

脆弱性診断

脆弱性診断はファイヤーウォールやルータ、サーバ、アプリケーションなどシステムが関わる箇所全体に対して、疑似攻撃を実施します。

ペネトレーションテスト

それに対して、ペネトレーションテストは対象のシステムが攻撃者の標的にされた場合、攻撃が成功しないかチェックするセキュリティ診断です。そのため、対象システムの構成や想定されるサイバー攻撃を予測して攻撃を実施し、攻撃が成立するかテストを行います。

高い安全意識を持って脆弱性診断を行おう!

悪意を持ったハッカーによるシステムやサイトへの攻撃というのは、世界中どこでも起きています。しかも、大企業や公共機関などの重要度の高いところだけでなく、文字通りあらゆるシステムへの攻撃が起こっています。そのため、自社のシステムは大きなものではないし、ハッカーに狙われるような重要なものを扱っているわけではないから大丈夫だと思わないようにしましょう。安全にシステムやサイト、アプリを維持するためには、まず高い安全意識を持つべきなのです。その上で、プロによる脆弱性診断をしっかりと行うようにしましょう。

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