F5アタックはDoS攻撃の一種です。
悪意のある第三者だけでなく、ちょっとしたいたずらのつもりでwebサービスやサイトを攻撃する人も少なくありません。サーバーダウンを防ぐだけでなくインターネット上の情報資源を守るためにも対策が必要です。
今回はF5アタックがどのようなものなのか。また、起こり得る被害と対策についてご説明します。
F5アタックはサイバー攻撃でありDoS攻撃の一種として、簡単でありながら強力な攻撃手法の一つです。さらに、サイバー攻撃の中でも比較的簡単な方法も存在しており、安易に使われてしまいます。
Windowsのパソコンでは、キーボードの「F5」キーは、画面の更新「リロード」に割り当てられています。
簡単に再読み込みすることができるので、よくパソコンを利用する人なら、キーボードショートカットとして覚えている方もいらっしゃるでしょう。パソコンに標準的に備わっている機能であり、誰しもが一度は利用したことがあるはずです。
F5キーを押すと、ページが再読み込みされ、サーバーへリクエストが送信されます。
しかし、繰り返しF5キーを押すと、Webサーバには負荷がかかります。ブラウザでのリロードはDoS攻撃になりうるのです。攻撃対象のシステムにもよりますが、連続してF5キーを押し続けるだけで、その負荷に耐えられなくなったサーバやサイトがダウンし、いわゆるDoS攻撃「F5アタック」が出来てしまう、ということになります。
悪意のある第三者たちはこの仕組みを悪用し、ターゲットとなるWEBサイトなどにアクセスして、F5キーを連打したり押しっぱなしにすることを「F5アタック」として利用します。
最近では、F5キーを押し続けた場合と同じ処理を行うソフトウェアも出回っている状態です。
F5キーを押すだけで攻撃が成立してしまう気軽さのため、F5アタックを「犯罪」だと認識していない人も多く存在しています。
普段利用しているサービスで「ちょっとだけ嫌な思いをした」というだけで、安易にF5キーを連打する、という可能性もあるでしょう。
現在はサーバーやシステムでF5アタック対策をしている場合も多く、1個人だけの攻撃でサーバーダウンすることはなかったとしても、場合によっては罪に問われることもあるので、安易な気持ちでF5アタックをするのは止めましょう。
また、掲示板などでF5アタックをしようなどと募っている場合もありますが、犯罪に加担してしまう可能性も高いので、決して同調すべきではありません。
F5アタックはブラウザの再読み込みを悪用することで、サーバーに負荷を与え続ける攻撃です。
実際にF5アタックを受けることで、どのような被害を受けてしまうのか、一つずつ見てみましょう。
F5アタックによりリクエスト通りにリロードを繰り返すことで、Webサイトのサーバーのリソースが減り続け、結果としてシステムを稼働する余力が無くなります。
サーバーがダウンすることで、Webサイトは表示されなくなり、提供するサービスも利用できなくなります。
F5アタックはとても簡単そうでありながら、非常に強力であり、悪意のある第三者がIPアドレスなどを偽装し、身元がわからない状態で攻撃されるので、一時的なダウンだけでなく、断続的に、しかも忘れたころにも攻撃されるので厄介です。
webアプリケーションやWebサービスを提供し、利益を上げる側としては、システムが安全に稼働し続けることが前提であり、24時間、誰でもどこからでも利用できることが収益を上げるために必要となります。
インターネットの特性の一つである「いつでも・どこでも」という利便性が失われてしまうので、サービスが停止すればするほど利益が得られなくなり、またサービスの復旧のために人的要因や金銭的な費用が発生することでも被害を受けてしまいます。
サービス停止中に利益を得られないこと、復旧するための費用の他に考えられるのは、サービスに対する信頼の低下、安定しないことによるユーザー離れが懸念されます。
アクセスが出来ない、ページの表示が重い、アプリが使いづらいと感じるだけでユーザーの気持ちは離れてしまいます。理由としてはインターネット上には様々なサービスが溢れており、わざわざ一つのサービスに固執する必要がないからです。
同時にユーザーに対する利便性や配慮を怠ってしまうような対応にも気を付けましょう。様々なサービスの中から選び、利用してくれるユーザーは大切にするべきであり、一度離れると二度と戻ってこない可能性が高いからです。
昔と比べてF5アタックへの対策はサーバーの標準で防げるようになってきました。
一個人が嫌がらせ程度に連打したくらいでは基本的にはダウンすることはありませんが、やはり、悪意のある第三者からの被害を受けないよう、しっかりと対策することも必要になります。
システム面でF5アタックへの対策を考える場合、同一ページに同一IPからの機械的、連続的な再読み込みを遮断する必要があります。
また、連続して再読み込みした特定のIPアドレスをブラックリスト化して蓄積しておくことで、二次的な被害を減らすという方法も考えられます。
再読み込みについては悪意のあるもの、悪意のないものの区別が難しい場合もあります。
何らかの形で同一ページへのアクセスが増え、サーバーへの負荷が増えることで、ユーザーが悪意無く再読み込みをする場合もあります。
本来、サービスやwebページを提供する側としてはアクセスを増やすことで利益を上げるものもありますから、全てをF5アタックとして認識してしまうことで、自ら利益を減らしてしまうことにも繋がるので注意が必要です。
サーバーがF5アタックを受けると、ネットワークリソースの増加やサーバの負荷が増えるので、視覚的に監視しやすいシステムにしたり、一定量以上のアクセスがあった時に検知してアラートが出る仕組みにするのも効果的です。
アクセスが集中しているページやIPアドレスの分布を見て、ユーザーなのか悪意のある第三者からの攻撃なのかを判断し、前もって用意した適切な対応を瞬時に行える体制も考えておくことも大切です。
F5アタックへの対策だけでなく、その他のサイバー攻撃への対策を練ること、サービスに携わる人間が周知しておくことは非常に大切です。
webセキュリティ全般の知識を高めて、1人1人がセキュリティ意識を持つこと、またwebセキュリティの管理を属人化し過ぎないようにして、担当がいないから対応できない、ではなく、マニュアルや緊急連絡網などを準備し、いつでも瞬時に対応を練られる管理体制の構築を目指すことも求めるべき事柄です。
F5アタックとはどんなものなのか。またどのような被害が起こり得るのか、そして対策や考え方などについてお話しました。
F5アタックへのイメージを、単なる嫌がらせの手段と捉えるのではなく、場合によっては犯罪への加担、罪に問われる可能性があるものとして理解しておきましょう。
また、サービスを提供する側としてはサーバーに対する負荷、ネットワークリソースなども含めて監視や対策を練り、シスム・サーバーがダウンすることで被害を受けないよう、また、ユーザー1人1人を大切に、ユーザーが時間を割いてサービスを利用していることを忘れないようにしましょう。
F5アタックのようなDoS攻撃への有効な対処法としてWAFの導入を検討したいという声が多くなっています。
WAFは企業や団体が提供するコンテンツが保管されているネット上のWebアプリケーションの前面におかれるシステムのため、セキュリティ効果が高く、外部からの攻撃に対しては強力な盾として攻撃を防ぐことができます。
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