近年、企業のWebサイトからの個人情報漏えいが増加しています。大企業だけでなく中小企業もサイバー攻撃のターゲットとなり、一度情報漏えいが発生してしまうと事業継続にも大きな影響を与えることがあります。
この記事では、個人情報漏えいのリスクとWAF(Web Application Firewall)による対策の有効性について解説します。
近年、企業のWebサイトからの個人情報漏えいが増加しています。大企業だけでなく中小企業もサイバー攻撃のターゲットとなり、一度情報漏えいが発生してしまうと事業継続にも大きな影響を与えることがあります。
この記事では、個人情報漏えいのリスクとWAF(Web Application Firewall)による対策の有効性について解説します。
Webサイトでは多くの個人情報を取り扱うため、セキュリティ対策が不十分だと情報漏えいのリスクが高まりますが、個人情報について詳しく理解できていない人が多いのが実情です。
ここでは、個人情報漏えいの定義や影響、Webサイトが狙われる理由について詳しく見ていきましょう。
個人情報は、特定の個人を識別できる情報を指します。氏名、生年月日、住所などの基本情報はもちろん、メールアドレスについてもユーザー名やドメイン名から特定の個人を識別できる場合、個人情報となります。
ビジネスをする上で、個人情報の利用が必要不可欠です。そのため、Webサイトでは会員登録情報や問い合わせフォームの入力内容、ECサイトでの購入履歴など、さまざまな個人情報を日常的に収集しています。
ただし、Webサイトで収集している個人情報を適切に管理しないと外部に流出してしまう可能性があります。
個人情報の漏えいが発生すると、企業はさまざまな面で大きな打撃を受けます。まず最も重大なのは、顧客からの信頼低下と企業ブランドの毀損です。一度失った信頼の回復には長い時間と多大な努力が必要です。
法的な側面では、個人情報保護法違反によって罰される可能性があります。個人情報保護法とは、個人情報の有用性に配慮しながら個人の権利や利益を守る法律で、この法律に違反した場合、企業は最大1億円の罰金が課されます。
さらに、情報が流出してしまった被害者への損害賠償や調査費用、システム復旧にかかる費用など、多くの費用が発生します。特に中小企業では個人情報漏えいの後続対応の負担によって経営危機に陥るケースもあります。
情報漏えいを未然に防ぐために、事前にセキュリティ対策をしておくことが重要です。
個人情報漏えいの原因はさまざまですが、サイバー攻撃が大きな割合を占めています。東京商工リサーチの調査によると、個人情報漏えい事故の6割は、ウイルス感染や不正アクセスなど、サイバー攻撃によるものです。
サイバー攻撃の標的として、脆弱性が多く存在しているためWebサイトは特に狙われやすい傾向があります。脆弱性とは、ソフトウェアやプログラムの欠陥のことで、セキュリティホールとも呼ばれます。
IPA(情報処理推進機構)の統計によれば、Webサイト関連の脆弱性届出件数は2023年10~12月期の225件となり、1年間で2.67倍も増加しました。増加している脆弱性が攻撃者の格好の的となり、サイバー攻撃の「侵入口」となってしまいます。
さらに、Webサイトは常時インターネットに接続されているため、攻撃者は24時間いつでも攻撃を仕掛けることができます。
Webサイトによる個人情報漏えいのリスクを軽減するために、効果的なセキュリティ対策としてWAF(Web Application Firewall)が注目されています。ここでは、WAFの仕組みや特徴、防御できる攻撃について詳しく解説します。
WAF(Web Application Firewall)は、WebサイトやWebアプリケーションへの悪意あるアクセスを検知・遮断するセキュリティ対策サービスです。
WAFは、Webサイトの前面に配置することで、Webサイトへのアクセスを一つひとつチェックし、不正や怪しいアクセスを検知・遮断し、「セキュリティチェックポイント」のような役割を果たします。
本来であれば脆弱性のないWebサイトを構築するのがベストですが、リソースが限られている中では脆弱性のないWebサイトの構築は非常に困難です。そこでWAFを導入しWebサイトへの不正アクセスを検知し遮断する対策が必要となります。
WAFはさまざまな種類のサイバー攻撃を防御し、個人情報を保護することができます。代表的な防御対象としてはSQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)の2つの攻撃があります。
SQLインジェクションとは、攻撃者がWebサイトのフォーム等から特殊なコード(SQL命令文)を送信し、データベースを不正に操作する攻撃です。SQLインジェクションによってデータベースに保存されるすべての個人情報が一度に漏えいするリスクがありますが、WAFはこうした不審なSQL構文を含むアクセスを特定して遮断します。
クロスサイトスクリプティング(XSS)とは、悪意のあるコードをWebサイトに仕込み、そのサイトを訪れたユーザーのブラウザ上でコードを実行させる攻撃です。WAFはこうした不正なスクリプトコードを含むアクセスをブロックできます。
さらに、Botや大量のアクセスによるDDoS攻撃なども一部のWAFによって防御できます。WAFを導入することで、これらの攻撃による個人情報漏えいリスクを大幅に低減することが可能です。
WAFとファイアウォールは、どちらもセキュリティ対策ツールですが、保護する対象や仕組みが全く異なるため、目的が違うセキュリティサービスです。
ファイアウォールは、ネットワーク層での通信を監視するセキュリティサービスです。例えば、特定のIPアドレスからのアクセスを遮断したり、特定のポートへの通信を制限したりといった基本的なフィルタリングを行います。
一方、WAFはWebアプリケーション層を保護するため、HTTPリクエストの中身まで詳しく確認し、Webアプリケーションへの巧妙な攻撃も検知・遮断できます。
WAFとファイアウォールは保護するレイヤー(層)が異なり、検査する内容も防御できる攻撃も違います。ただし、セキュリティ対策としては相互補完的な関係にあるため、セキュリティを強化するためには両方のサービスを導入することが必要です。
WAFの導入を検討する際には、自社の環境に合った製品を選ぶことが重要です。ここでは、WAF選定時のポイントについて解説します。
WAFには大きく分けてクラウド型とオンプレミス型があり、運用の手間は大きく異なるので、導入前にしっかり考慮しないといけません。
オンプレミス型WAFとは、自社のサーバやデータセンターに設置するWAFです。攻撃を防ぐためのルール(シグネチャ)を柔軟に設定できるものの、ルール(シグネチャ)の作成や管理は自社で行わなければならず、セキュリティに詳しいエンジニアが必要です。
また、導入にあたって、ハードウェアやソフトウェアを購入し、自社環境に実装する必要があります。WAFを実装するためにシステムを大幅に改修する可能性もあるので導入コストが高くなる傾向があります。
一方、クラウド型WAFとは、インターネットを介して利用できるWAFです。ハードウェアやソフトウェアの購入は不要で簡単に導入できます。ルール(シグネチャ)の管理はWAFの提供ベンダーが行うので、社内にセキュリティに詳しい人材がいなくてもWAFの運用管理ができます。
ただし、シグネチャの精度や更新タイミングはWAFの提供ベンダーに委ねるので実績がある、かつサポートが付いているWAFを選んだほうが安心できるでしょう。
WAFの効果を維持するためには、新規で出現する攻撃手法に対応した防御ルールの継続的な更新が欠かせません。WAF選定時には、ルール更新の頻度や方法、自動化の有無などを確認することが重要です。
サイバー攻撃の手法は日々進化しているため、WAFは一度導入して終わりではなく、常に最新の脅威に対応できる状態を保つ必要があります。
運用担当者が新しい攻撃や脆弱性の情報を積極的に収集し、その情報を解析し自社への脅威度を評価し、危険性の高いものに対してその攻撃や脆弱性を対策できるようにルールの更新を行う必要があります。
ただし、攻撃や脆弱性の最新情報は毎日のようにリリースされるので情報収集だけで運用担当者にとって大きな負担となるケースがよくあります。その場合、ルール(シグネチャ)更新をベンダーが担ってくれるクラウド型WAFを導入することがおすすめです。
自社Webサイトの規模やトラフィック量に合ったWAFを選ぶことも重要です。特にクラウド型WAFの費用は、トラフィック量(リクエスト数)やWAFを適用するWebサイトの数によって変動することが多いため、自社の状況に合った製品を選ぶ必要があります。
リクエスト数の正確な把握が難しい場合は、PV数(ページビュー数)からおおよその見積もりを行うことも可能です。費用対効果を考える上で、現在の利用状況と将来的な成長見込みを考慮することが大切です。
オンプレミス型WAFの場合、WAFの導入によってシステムに負荷がかかってしまい、Webサイトのパフォーマンスに影響を与える可能性があります。導入する前に入念な検証を行いWebサイトへの影響をしっかり測ることが重要です。
Webサイトの個人情報漏えい対策としてWAFを導入する場合、国内シェアNo.1※のクラウド型WAF「攻撃遮断くん」がおすすめです。
日本国内で開発・運用されている国産のクラウド型WAFです。Webサイトを狙った攻撃や脅威を攻撃遮断くんの導入によって防ぐことができるので、個人情報の漏えいリスクを抑えることができます。
攻撃を検知するルール(シグネチャ)の管理や更新はすべてWAF側が行うのでユーザー側の運用は不要です。セキュリティ人材のリソースが足りなくても安心したセキュリティ対策を行うことができます。
DNSの設定変更だけで導入が完了するのでシステム変更が最小限で済むのが特長です。さらに、月額1万円からという価格設定で中小企業にも導入しやすいです。
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