WAFとは?知らないとまずいセキュリティ製品を初心者にもわかりやすく解説

【解説動画あり】WAFとは?必要性や導入メリット、選定基準までわかりやすく解説

サイバー攻撃が増えている中、企業はWebセキュリティ対策が求められています。そこでWAFへの注目が高まっています。

この記事では、WAFの基礎知識から、WAFの導入メリットや種類、仕組みについて初心者にもわかりやすく解説します。

waf_in_3min_intro_banner

WAFとは?

WAF(読み方:ワフ)とは、Web Application Firewall(ウェブアプリケーションファイアウォール)の略称で、Webサイトを含めたWebアプリケーションの脆弱性を狙ったサイバー攻撃を防御する、セキュリティ対策サービスです。

WAFを導入することで、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)などのサイバー攻撃による、情報漏えいやWebサイトの改ざんなどの被害を回避することができます。

WAFは必要ない?WAFの重要性とは

WAFは必要ないと思っている人もいますが、実は誤解です。むしろ、Webアプリケーションへの攻撃が年々増加している中、企業のセキュリティ対策においてWAFは極めて重要な役割を果たしています。

ここでは、WAFの重要性について改めて解説します。

Webアプリケーションへのサイバー攻撃が年々増加中

急増しているWebアプリケーションへの攻撃を対策するにはWAFの導入が必要です。総務省が発表した資料によると、2023年に観測されたサイバー攻撃の関連通信が約6,197億パケットに達していて、5年前に比べて2.85倍増加しています。

増加の背景として、Webアプリケーションの脆弱性の増加が挙げられます。脆弱性は、OSやソフトウェアの不具合や設計上のミスによるセキュリティ上の欠陥のことで、放置すると攻撃者に悪用され、情報漏えいやWebサイトの改ざんなど、深刻な被害を引き起こす恐れがあります。

IPA(情報処理推進機構)の統計によると、Webサイト関連の脆弱性届出件数が2023年10~12月の3か月間に225件に達して、前年同期の2.67倍となっています。増えている脆弱性が攻撃者の恰好の的となるため、企業として適切な対策が求められます。

Webアプリケーションの脆弱性対策にはWAFが必要

本来であれば脆弱性情報を積極的に収集し、自社のWebアプリケーションを定期的に更新して脆弱性のない状態を保つことが最も理想的ですが、開発リソースの兼ね合いもあり現実的には難しいです。

そのため、Webアプリケーションを攻撃者から守るにはWAFの導入が必要不可欠となります。WAFはWebアプリケーションの前段に配置するので、通過するアクセスの詳細まで細かくチェックすることができます。

WAFを導入することで、怪しいアクセスや不正アクセスをWAFによって検知・遮断することができ、Webアプリケーションの脆弱性を突くサイバー攻撃から効果的に保護できます。

脆弱性対策としてのWAF活用方法について、マンガ資料にまとめているのでぜひこちらからダウンロードしてください。

WAF導入のメリット

WAFの導入にはさまざまなメリットがあります。一番大きなメリットはWebアプリケーションをサイバー攻撃から保護できることです。

WAFを導入することで、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)など、脆弱性を突く攻撃を防御できます。また、DDoS攻撃を対策できる製品もあります。

WAF導入により、サイバー攻撃による情報漏えいやWebサイト改ざんなどのセキュリティインシデントを回避でき、セキュリティインシデントによる企業の信頼失墜を未然に防ぐことができます

さらに、セキュリティリスクの可視化にもつながります。WAFの検知ログを分析することで自社のWebアプリケーションが直面する攻撃を把握することが可能です。そして分析情報に基づいて、より適切なセキュリティ対策を講じることができます。

WAFとファイアウォールの違いとは?

名前がよく似ていますが全く別もののWAFとファイアウォール。守備範囲や防げる攻撃が異なるため、どちらかを使えば安心というわけではありません

ファイアウォールとは、ネットワーク層を保護するセキュリティサービスです。通信パケットのIPアドレスやポート番号、プロトコル種別などに基づいてフィルタリングを行うことで外部からの攻撃をまさしく「防火壁」のように保護します。

一方、WAFはWebアプリケーション層を守るサービスです。アプリケーション層への通信の中身まで一つひとつをチェックし、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)など、Webアプリケーションの脆弱性を狙った攻撃を検知・遮断します。

少しわかりにくいかもしれないので、飛行機に乗る前の保安検査を思い出してみてください。ファイアウォールは保安検査の入り口で行うパスポートや搭乗券の確認のようなものです。これから出発する、かつ有効なパスポートを持っている人のみを通しています。

一方、WAFは人や荷物の検査です。危険物や不審物が荷物に入っているかどうかをしっかりチェックし、飛行機の安全を守ります。

防御対象や目的が異なるため、WAFとファイアウォールを組み合わせて、より包括的なセキュリティ対策を実現することがおすすめです。

WAFをファイアウォールやIDS/IPSと併用するのがおすすめ。

WAFとファイアウォールの違いについて詳しくはこちら:

WAFとファイアウォールの違いとは?セキュリティ製品をわかりやすく解説

ちなみにWAFとIDS/IPSとの違いとは?

IDS/IPSは不正侵入検知・防御システムであり、ミドルウェア層を保護するセキュリティサービスです。IDSはOSやミドルウェア層に対する攻撃を検知するのに対し、IPSは攻撃を検知するうえ防御することもできます。

WAFと同様にIDS/IPSはシグネチャを使用して攻撃かどうかを判断しますが、WAFのようにWebアプリケーション層を保護することはできません

守る範囲が異なるため、IDS/IPSとWAFを併用することがおすすめです。あわせてファイアウォールも利用するとより強固なWebセキュリティを実現できます!

WAFとIDS/IPSの違いについて詳しくはこちら:

WAFとIPS/IDSの違いとは?そもそも防御できる攻撃も違う!

WAFの仕組みとは?

WAFは、シグネチャを利用して不正アクセスの検知・遮断を行います。シグネチャとは、過去に起きたりこれから起こると想定される攻撃のパターン、通信の手法、ウイルスなどのデータをまとめた定義ファイルです。

シグネチャの種類によってWAFの仕組みが異なるので、ここでは主な2タイプを解説します。

WAFのシグネチャについて詳しくはこちらの記事

WAFのシグネチャとは?仕組みや更新方法も含めてわかりやすく解説!

ブロックリスト型(ブラックリスト型)

ブロックリスト(ブラックリスト)型のWAFは、あらかじめ定義した不正なパターンや既知の攻撃シグネチャと照合して、不正アクセスを検知・遮断します。

ブロックリスト型WAFの仕組み上、既知の攻撃の検知・遮断に非常に有効です。SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)などを含めたWebアプリケーションを狙った代表的な攻撃をブロックリスト型WAFによって効果的に防ぐことができます。

一方、未知や新規の攻撃を防ぐことはできないデメリットがあります。新しい攻撃を対策できるように、WAFのシグネチャを定期的に更新することが重要です。

許可リスト型(ホワイトリスト型)

許可リスト型(ホワイトリスト)のWAFは、あらかじめ定義した許可するアクセスパターンに基づいて動作します。シグネチャに一致するアクセスのみをWAFに通過させますが、それ以外のすべてのアクセスを拒否します。

許可リスト型WAFの仕組みの特徴から、未知の攻撃や新たな脅威に対して非常に効果的ですが、不特定多数のユーザーがアクセスするサービスサイトやECサイトにおいて誤検知を起こす可能性が高いです

誤検知とは、正常なアクセスを不正アクセスとして誤って判断し遮断してしまうことです。誤検知によって一般のWeb閲覧者がWebサイトやWebサービスにアクセスできなくなり、顧客の不信感を招きクレームにつながる可能性があります。

そのため、許可リスト型WAFは一般公開のWebサイトやWebサービスには向かず、アクセスパターンが限定されている社内システムなどに適しています。

WAFの仕組みについて詳しくはこちら:

WAFの不正アクセス検知・遮断の仕組みを解説

3種類のWAF|それぞれのメリット・デメリットとは

一言にWAFといってもさまざまな種類があります。ここでは、導入タイプ別に分けた3種類のWAFと、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。

アプライアンス型WAF

アプライアンス型WAFとは、ベンダーの提供するWAF専用機器(ハードウェア)を自社のネットワーク内でサーバの前に設置して運用するWAFです。

ベンダーの提供する専用機器を自社のWebサーバの直前に設置して運用するアプライアンス型WAF。

アプライアンス型WAFの一番のメリットはカスタマイズしやすいことです。WAF専用機器を自社のネットワーク内に設置しているため、自社のニーズに応じて設計・構築・運用することが可能です。

一方、WAF専用機器の保守運用と監視をすべて自社で行う必要があるので、専任エンジニアの人件費がかかってしまいます。なお、WAF専用機器の購入に100万円以上がかかることもあります。

サーバ室や専門のセキュリティチームが必要になるため、中小企業にとってはアプライアンス型WAFの導入ハードルは高いです

ホスト型(ソフトウェア型)WAF

ホスト型(ソフトウェア型)WAFとは、自社のサーバにベンダーの提供するソフトウェアをインストールして運用するWAFです。

自社のサーバにベンダーの提供するソフトウェアをインストールして運用するホスト型WAF。

アプライアンス型と異なり、自社のサーバにWAFをインストールするだけで導入可能なのでハードウェア調達のコストやシステム設計の手間を省けます。

ただし、WAFがサーバ内にインストールされているため、サイバー攻撃を受けた際にCPUへの負荷が急に増えることがあります。それによるサーバの速度遅延、またはサーバーダウンの可能性もあるので事前の検証が必要です。

また、Webサーバがいくつもある場合、サーバごとにWAFを設置しないといけないのでコストが肥大化します。

クラウド型WAF

クラウド型WAFとは、クラウド経由で利用するWAFです。アプライアンス型とホスト型(ソフトウェア型)と異なり、ハードウェアやソフトウェアを調達する必要がないため、導入におけるコストや手間は3種類のWAF中で最も低いです。

インターネット経由で利用するクラウド型WAF。

また、WAFの運用と保守はWAFベンダーが行うため、専任エンジニアを配置する必要なく迅速に最新の脅威に備えることができます

ただし、WAFサービスによって防げる攻撃や機能が異なるため、導入前にしっかり確認して、導入実績や信頼性の高いサービスを選ぶ必要があります。

WAFを導入するならクラウド型WAF

サイバー攻撃が急増している中、企業のWebアプリケーションを守るためにはWAFの導入が必要不可欠です。

WAFは、Webアプリケーションへのアクセスを一つひとつ詳細まで細かく確認するので、Webアプリケーションの脆弱性を狙ったサイバー攻撃を防御することができます。

さまざまな種類のWAFがある中、運用作業が楽で導入もしやすいクラウド型WAFへの注目が高まっています。その中でもクラウド型WAF「攻撃遮断くん」が国内シェアNo.1※で、最も多くの企業に導入されています。

「攻撃遮断くん」は月額10,000円〜導入可能かつ、システム変更不要のため最短1日で導入できる日本国内で開発・運用されているWAFです。ユーザー側での運用は一切必要ないため、低価格かつ簡単に高セキュリティを実現できます!

攻撃遮断くんについて詳しく知りたいならこちらの資料をダウンロードしてください。

クラウド型WAFなら攻撃遮断くん

デロイト トーマツ ミック経済研究所「外部脅威対策ソリューション市場の現状と将来展望 2023年度」

Webサイトをサイバー攻撃から
守るなら
攻撃遮断くん 攻撃遮断くん

ご利用お申し込み、お見積り依頼、
Webセキュリティに関する相談はこちらから!