WAFの導入メリットとは?デメリットや必要性も含めてわかりやすく解説

WAFを導入するメリットや効果とは?

急増しているサイバー攻撃への対策としてWAFを導入する企業が増えています。WAFはWebアプリケーションに特化しているセキュリティサービスで、アプリケーション層を狙った攻撃の防御にとても有効な対策です。

それ以外にもWAFの導入は企業にとってたくさんのメリットがあります。

この記事では、WAFの導入が企業にとってなぜ重要なのか、そのメリットとデメリットについてわかりやすく解説します。

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そもそもWAFとは?

WAF(ワフ)とは、Web Application Firewall(ウェブアプリケーションファイアウォール)の略称で、Webサイトを含めたWebアプリケーションの脆弱性を狙ったサイバー攻撃を防御する、セキュリティ対策サービスです。

WAFを導入することで、Webアプリケーションへのサイバー攻撃を防御でき、情報漏えいやデータ改ざんなどの被害を未然に防ぐことができます

さまざまな種類のWAFがある中、「クラウド型WAF」への関心が高まっています。その理由は、クラウド型WAFの導入と運用の手軽さにあります。

クラウドサービスのため、クラウド型WAFを導入するための物理的なハードウェアの設置は不要です。そのため、システム改修をせずに迅速にWAFを導入することができます。

運用コストもほぼかからないのもクラウド型WAFの人気の理由の1つです。ハードウェアのメンテナンスは不要ですし、肝心なシグネチャ(WAFの検知ルール)更新もクラウド型WAF提供ベンダーが定期的に実施するので、運用コストがほぼゼロです。

上記の理由からクラウド型WAFを導入して自社のセキュリティを強化する企業が増えております。

WAF導入の必要性

急増するサイバー攻撃の対策としてWAFを導入する企業が増えています。大規模サイバー攻撃観測網(NICTER)の調査報告によると、2023年に観測されたサイバー攻撃関連通信は約6,197億パケットにも上り、10年の間に25倍も増加しています。

増え続けるサイバー攻撃を対策するため、情報セキュリティの強化策の一環としてWAFの導入が注目されています。WAFを導入することでWebアプリケーションの脆弱性を狙った攻撃を防御でき、サイバー攻撃による情報漏えいやデータ改ざんなどの被害を未然に防ぐことができます。

また、PCI DSS認定やISMS認証など、国際的なセキュリティ基準を満たすためにはWAFが必須要件となるため、導入するケースが多くなっています。PCI DSSは、クレジットカード情報を扱うすべての事業者が遵守すべき国際セキュリティ基準です。

上記の理由から、WAFの導入は単にセキュリティ対策としてのみならず、ビジネスを継続し、顧客からの信頼を維持するための重要な対策となり、企業にとってWAFの導入はもはや選択肢ではなく、必要不可欠と言えるでしょう。

WAF導入のメリット3つ

Webアプリケーションへのサイバー攻撃を防御

WAFは、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)などのサイバー攻撃からWebアプリケーションを守ることができます

これらの攻撃を防御することにより、情報漏えいやデータ改ざんといった深刻な被害を防ぐことができます。また、情報漏えいやデータ改ざんによる損害賠償、売上機会の損失、復旧にかかる費用や手間などの副次的被害も、WAFの導入によって回避できます。

さらに、一部のWAFにはDDoS攻撃を緩和する機能もあります。DDoS攻撃(Distributed Denial of Service Attack)は、複数のIPアドレスから一斉に大量のリクエストを送り付けるサイバー攻撃の手法で、サービス停止を引き起こします。

WAFの導入により、サイバー攻撃によるリスクを回避でき、企業の機密情報・事業・信頼を守ることができます。

セキュリティリスクを可視化

サイバー攻撃の検知と遮断だけでなく、WAFは検知した不正アクセスをログとして記録します。検知ログを確認することで、自社がどういった攻撃やセキュリティリスクに直面しているのかを把握でき、今後のセキュリティ戦略の策定にも役立ちます

さらに、検知ログに基づいて攻撃の種類や傾向をまとめたレポートを定期的に提供するWAFサービスもあります。検知ログを一つひとつ確認する必要がなくなるので、分析の手間を減らすことができます。

企業としての信頼下落を防止

企業が保持する顧客情報や機密情報などの重要な情報の漏えいは、企業の信頼性にとって大きな打撃となります。会社としての信頼度やブランドの下落が起こり、顧客離れや業績悪化に直結する恐れがあります。さらには株価下落にも直結する可能性があります。

一般社団法人日本サイバーセキュリティ・イノベーション委員会(JCIC)の調査によると、サイバーインシデントが公になった企業では、株価が平均15%下落することが明らかにされています。

サイバー攻撃被害は株価に影響する可能性があるため、十分なセキュリティ対策を取っているかどうかは株主・投資家に着目する重要な判断材料の1つです。

特に上場を目指す企業にとって、株主・投資家の信頼を獲得するためにも、WAFを含むセキュリティサービスの導入は重要です。そのため、多くの上場企業がセキュリティ対策としてWAFを導入しています。

WAF導入のデメリットにも注意

WAFの導入は多くのメリットがありますが、一方で注意すべきデメリットも存在します。WAF導入のデメリットをしっかり理解し、適切に対処することが、WAFを最大限に活用する鍵となります。

WAFだけでは防げない攻撃がある

WAFはセキュリティ対策として強力ではあるものの、万能ではありません。特にアプリケーション層以外の攻撃、例えばネットワーク層や物理層への攻撃はWAFの範囲外です。これらを防ぐには、ファイアウォールやIDS/IPSなどほかのセキュリティ対策が必要です。

自社の対策状況を正確に把握し、適切な対策を講じることが重要です。

また、WAFを導入する前に、防御したい攻撃を提供ベンダーに確認することも大切です。一言でWAFといっても防御できる攻撃の種類は提供ベンダーによって異なるので、WAFを導入したとしても対策したかった攻撃に対応できないとより多くの手間とリスクが発生します。

そうならないために、防御したい攻撃がある場合は事前にWAFの提供ベンダーに対応可否を問い合わせすることをおすすめします。

運用にコストがかかる

WAFを導入して終わりではありません。WAFの検知能力を維持するために、新しい攻撃や脅威の情報の収集や検知に使われるシグネチャの更新などの運用作業が必要です。

また、WAFの導入によって誤検知が発生する可能性があるため、シグネチャの細かいチューニング作業も発生します。誤検知とは、正常の通信が誤って不正アクセスと判断され通信が遮断されてしまうことで、誤検知と判断された通信の顧客がサイトにアクセスできなくなってしまうため、顧客の不信感や売上機会の損失につながる恐れがあります。

こういったWAFの運用作業を行うためには、サイバー攻撃やセキュリティ、またはWAFについて詳しい知識や経験が求められます。

社内にセキュリティチームがいない場合、WAFの運用をベンダーに委託するか、運用のいらないクラウド型WAFの導入がおすすめです。クラウド型WAFを導入する場合、提供ベンダーのサポートの有無やサポート内容、方法も確認しておきましょう!

WAFの機能詳細について詳しくはこちらの記事

【情シス担当者必見】WAFの基本機能と防げる攻撃を徹底解説!

導入設定が大変になる場合がある

同じWAFといっても種類によって導入方法が異なります。導入によってシステム再構築が必要となるWAFも存在します。導入がしやすいクラウド型WAFの場合でも、導入環境に合わせて、DNS切り替え型とエージェント連動型の2種類の導入方法があります。

DNS切り替え型はDNSの設定変更だけでWAFを導入できますが、エージェント連動型の場合はサーバの管理者権限が必要となってくるので、導入方法や必要な手順が変わります。

WAFの導入をスムーズにできるように、導入前に導入にあたって必要な情報や手順をしっかりベンダーに確認しましょう。また、導入サポートがきちんと付いているWAFサービスを選ぶことをおすすめします。

まとめ

WAF(Web Application Firewall)の導入は、企業の情報セキュリティにおける重要な施策の1つです。特にサイバー攻撃の数が急増しているいま、WAFは企業のセキュリティ対策にとって必要不可欠です。

WAFを導入することでさまざまなメリットがあります。主に下記の3つです。

  1. Webアプリケーションへのサイバー攻撃を防御
  2. セキュリティリスクを可視化
  3. 企業としての信頼下落を防止

とはいえ、WAFの導入にはデメリットもあります。運用にかかるコスト・手間や導入の大変さが例として挙げられます。

社内にセキュリティチームがいない、もしくはリソースが足りないためWAFの運用に懸念がある場合は、クラウド型WAF「攻撃遮断くん」がおすすめです

「攻撃遮断くん」の場合、シグネチャの調整や更新などの運用作業がすべて提供ベンダーであるサイバーセキュリティクラウドが行うため、顧客側の対応が不要でWAFの運用工数がほとんど必要ありません。

また、「攻撃遮断くん」には日本語サポートが付いているので、誤検知対応や新しいルールの追加などの相談も可能です。メールだけでなく電話でのサポートもできるので、WAF導入の経験がなくても安心してWAFを導入できます!

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